港区赤坂の司法書士・行政書士アデモス事務所です。
3月8日の一時支援金の申請開始に伴い、当事務所に対しても支援金の事務局からご紹介を受けたとして、申請に必要となる事前確認の問い合わせがメールや電話などで寄せられるようになりました。(当事務所へのお問い合わせフォームはこちら)
当事務所では、これまでに取引のない事業者の皆様については、一律1万円+消費税1000円での有料での対応をさせていただいております。これまでに240人近くの方(遠方の方を含む)の事前確認をいたしました。
お問い合わせ日 | 事前確認日 | ご入金連絡日 |
---|---|---|
3月20日 | 3月29日 | 4月1日 |
3月29日 | 3月30日 | 4月8日 |
3月29日 | 4月5日 | 4月8日 |
4月8日 | 4月15日 | 4月28日 |
4月9日 | 4月13日 | 4月16日 |
4月14日 | 4月16日 | 4月30日 ※一部不備修正 |
4月18日 | 4月20日 | 4月30日 |
4月17日 | 4月22日 | 4月30日 |
4月20日 | 4月27日 | 5月18日 |
(関連記事「一時支援金の事前確認を依頼する登録確認機関の選び方」)
問い合わせの多くは、「事前確認を受けられるか?」「費用はかかるのか?」という内容です。
昨年の持続化給付金で不正が相次いだことを受け、政府は今回の一時支援金の制度を設けるにあたり、登録確認機関に事前確認を受けることを要件といたしました。事務局のウェブサイトで確認できる限り、現在、登録確認機関になっているのは、1万6700件。このうち、53%(計12200件)を占める商工会議所・商工会(2400件)、金融機関(9800件)は、自らの会員か既存の取引先以外は、事前確認に応じないというスタンスをとっています(3月26日現在)。
というのも、現在のマニュアルでは、既存の取引先あるいは団体の会員の場合は、電話で今回の一時金の趣旨や対象者を知っているか、宗教法人や政治団体ではないか等について聴取するだけでよいとされているからです。
そのため、これらの金融機関の融資を受けていなかったり、会員でない(新たに入会しない場合も含む)人たちは、一時支援金を申請するために、残りの5割(税理士や中小企業診断士、行政書士等)の登録確認機関に殺到することになります。
ところが上で述べたように、金融機関などが既存の取引先に確認する際は、電話でヒアリングすればよいのに対して、まったく取引のない事業者を士業等が登録確認機関として確認する際には、事業の実体を資料等に基づいて確認し、直接面談又はZOOMで、身分証明書と照合することを求められております。
一部に高額報酬を求める事務所が存在しているのは承知をしておりますが、多くの士業の登録確認機関は、今回の事前確認を自分たちのビジネスの手段とは考えておらず、金融機関や商工会・商工会議所が対応しない事業者の皆さんが、いち早く申請できるように協力したいというスタンスで、事前確認ができる登録機関に申請しました。まさか、ここまで金融機関や商工会・商工会議所が入口を狭めるとは思っておりませんでした。そのような中で、完全無償で事前確認を行うことになると、登録確認機関である各士業の事務所は、通常の業務がまったくできない状況になってしまいます。
ネット上で、お見かけした某行政書士事務所さんは、完全無償対応を決めたが、4月までに用意した450の枠が全部埋まったと書かれておりました。この事務所さんの志は大変すばらしいと思いますが、すべての事務所がそのような対応ができるわけではありません。そのために、通常業務をしつつも、事前確認の対応ができる程度に有償にせざるをえないというところがほとんどでしょう。
このような事情を顧みず、一時支援金の事務局が「事前確認の手数料は無料」とウェブサイトに赤字で大きく記載していますが、これは事前確認の希望者をミスリードする表現です。
もともと登録確認機関に、事前配布されたマニュアルでは、登録確認機関が手数料を受け取れるのは、「受給者の数が30者以上」という条件が付されております。この30者というのは「確認した数」ではなく、「給付された数」であり、しかも手数料を受け取るのは半年以上先という、ほぼただ働きで協力しろというに等しい内容です。
さすがに、これでは協力はえられないと思ったのか、「事務手数料の支払いを受けることを辞退する場合」は、「希望者から事前確認の対価を得る」ことを認めておりました。
いま、事務局がウェブサイトで、「事前確認の手数料は無料」「9割の方が無料で事前確認を受けている」と記載して、事前確認の希望者に無料で事前確認を受けられるという期待を抱かせるのは、登録確認機関のモチベーションを引き下げる要因となり、結果として、事前確認を受けられる人がますます少なくなってしまうこととなるでしょう。
結論を申し上げます。
多くの士業による登録確認機関が有料で事前確認を行っているのは、制度設計にゆがみがあるからです。事務局は85億円で契約をしているのに、その下請けでもなんでもない、われわれ登録確認機関が無料で事前確認をしなければならない理由はありますでしょうか?
事務局は3月末には無料で、事前確認を受けられる登録確認機関を用意すると言っております。「どうしても無料で事前確認を受けたい」という方、「そんなに急いで申請しなくてもいいんじゃないかな」という方は、ぜひ「いつ頃から、無料で事前確認を受けられるようになりますか」と事務局に聞いてみて下さい。
「少しお金はかかっても、個人情報もあるし、しっかりとした専門家に確認してもらいたい」「現金商売なので、事務局で事前確認をしてもらえるか不安だ」という方は、ぜひ、当事務所にお問い合わせをください。
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